大学受験攻略のヒント

初めまして、加賀琢巳です。この春、私は東京大学法学部に推薦入試で合格しました。今は前期課程生として、教養学部文科一類に在籍し、日々勉学に励んでいます。上京して二ヶ月ほどが経ちましたが、新たな環境での出会いを楽しんだり、一人暮らしに苦戦したりと、毎日が新鮮です。もちろん勉学だけでなく、バイトやサークルにも取り組み、新しくできた友だちと遊ぶなど、充実した大学生活を送っています。

今回は高校生スキッフルに寄稿するということで、少し高校生の頃を振り返りたいと思います。私は、この三月に名古屋大学教育学部附属高校を卒業しました。一年次と二年次では、主に「どえりゃあwings」という学生団体に所属し、国際協力の分野で活動していました。この団体は、愛知県内の様々な高校から学生が集まって活動している、ボランティア団体です。今号に記事も掲載されているので、良かったら併せてご覧ください。どえりゃあwingsでの活動は、二年次の三月で区切りが付き、後輩に引き継ぎました。続く高校三年次では、野球部での練習や、クラス委員長として学校祭に参加するなど、校内での活動に力を入れ、高校生活を楽しむことができました。そして十月からは推薦入試の準備を始め、合格をいただく今年二月までは、俗に言う「受験生」らしいことをしていました。

そんなところで、自分語りはさて置き、今回貴重な紙面をいただいたからには、これを読んで下さる皆さんにとって、少しでも有用なことを認めたい所存です。そこで次項からは、大学受験を控える皆さんに、偉そうな先輩面をして細やかなアドバイスをできたらと思います。(大学受験とは無縁な皆さん、ごめんなさい。私には、思いを馳せることしかできませんが、どうか後悔のない高校生活と進路選択を実現してください。)

東大生が教える 大学受験攻略のヒント

一、志望校をよく考えよう

志望校は明確に定めよう。志望校を決めることで、学習面での目標が明確になることはもちろん、一年後のなりたい自分を描くことで、モチベーションが上がる効果を見込めます。また志望校を定めた後には、早めに受験する大学の過去問を一年分だけ解いてみることをオススメします。過去問を直前まで取っておく、という人を時おり見かけますが、受験する大学の出題形式や傾向、求められるレベルを肌で感じることは大変有効です。学習を進めるに当たって指針となります。

志望校を絞る際には、自分が大学で修めたい学問を第一に、その他に取り組みたいことや通学のしやすさなど、優先したい項目を挙げて良く吟味しましょう。親御さんとじっくり相談することも忘れずに。これはまだ志望校が明確に定まらない、大学で何がしたいかわからない、という人にこそ勧めたいポイントです。とりあえず勉強して、後から自分にあったレベルで志望校を決定すれば良いだろうと、漫然と学習をしている自覚のある人は、ぜひ一度立ち止まって考えてみて下さい。目先の勉強に捉われる気持ちもよく理解できますが、長期的な目で見ると、志望校を定めることによるメリットは大きいものです。

二、目標と計画を立てて学習をしよう

志望校が決まったら、学習の目標と計画を立てましょう。闇雲に長い時間を勉強に費やせば良いものではありません。目標と計画をしっかりと持ち、それを円滑に実行したり、あるいは修正したりできる人は成績が伸びやすいのです。

基本的な方針としては、教科ごとに長期的な目標と短期的な計画を立てると良いでしょう。この時に意識することとして、なるべく明瞭で具体的に目標と計画を立てること を挙げておきます。これにより、当初の設定より進んでいるのか遅れているのか、後で振り返りやすくなります。

学習を進めていく中で、計画通りに進まないことも多々あるでしょう。そこでただ悲観することに終始しなければ良いのです。随時、改善できることはないか考えたり、無理の少ない計画に修正したりすることが大切です。計画が遅れてくると、あれもこれもと焦る気持ちになりがちですが、決して慌ててはいけません。冷静な視点で現状を分析して、shouldではなくmustの課題を優先して取り組むことが鍵です。

三、自分なりの勉強法を確立しよう

目標と計画を立てたら、自分に合った勉強法を構築し、学習する習慣をつけましょう。勉強法に関しては、先生の指示や周囲の意見などにしばしば惑わされがちです。書いて覚える、読んで覚える、朝勉強する、夜勉強する…など方法論は多種多様であり、一つひとつを組み合わせると十人十色です。その中で定まった最適解、即ち万人に適用できる普遍的な方式は存在しないように思われます。様々な情報にあたりながら、自ら試行錯誤をして、自分の納得する勉強法を編み出しましょう。

学習の習慣も勉強法と同様に強調しておきます。やはり毎日少しずつ積み重ねることが、成績向上へのいちばんの近道であることは否定できないからです。部活動などで忙しい、といった人もいるでしょうが、たとえ三十分でも毎日学習するといった心掛けをしてみましょう。ある程度まとまった勉強時間を確保できている人も、勉強法と併せて習慣を見直すことで、学習効率や集中力の持続などを高められると良いですね。

四、学校の授業を大切にしよう

学校の授業を通して、自分の実力を向上させる努力をしましょう。最近では、予備校の授業、映像授業、通信添削などのツールを利用して学習を進めている人も非常に多く見受けられます。しかしながら、やはり学校で受ける授業の時間の方が長い、という人が大半です。従って、学校の授業でいかに多くのことを身につけて、成績向上に結びつけるかが重要な問題と言えます。私は予備校や塾、通信教材を利用しなかったので、学校でより多くのことを吸収することを心掛けて授業へ臨みました。具体的には、授業での集中力を保つため、家では最低限の予習と復習だけをして、睡眠時間を多く確保することを実践していました。夜だらだらと勉強していて、昼間に学校の授業が疎かになるようでは、勉強した気になるだけで学習の効果は薄いでしょう。あくまで学校の授業を学習の中心に置くことが基本です。

五、模擬試験を有効に利用しよう

模擬試験を適切な時期に受験して、合格までの道のりを確認する機会にしましょう。模擬試験を受験する最大の目的は、自分の実力と目標とする合格ラインの距離を測ることです。順位や偏差値などの成績を見て、一喜一憂する気持ちも十分に分かりますが、そこはグッと堪えましょう。大切なことは、現在の自分にどの程度実力があるのか、どの点が足りていないかを知ることです。そのためにも、模擬試験は成績表ではなく、自らの答案に目を向けて下さい。月並みな言い方ではありますが、模擬試験を受験した後には、自分の答案と問題を照らし合わせて、時間をかけて復習することが大切です。

模擬試験について一言付け加えたいことは、各模擬試験を受験していないライバルたちの存在です。これは必ずある程度存在しますが、認知しづらいものです。従って、自分の見えている範囲で周囲と比較しても仕方ないのです。判定や順位はおまけ程度に見ておきましょう。たとえA判定を幾度と獲得していても、最終的に不合格になってしまう人は、やはり毎年存在しています。しかし、模擬試験をアテにならない、自分にはまだ早いと言って忌避することはやめて下さい。試験に慣れることや、普段の勉強のモチベーションにつなげるためにも、ぜひ積極的に受験しましょう。

六、諦めずに取り組もう

毎日楽しく勉強できている、順調に成績が上がっている、という状態は理想ですが、そういった人は中々いないものです。皆が一度はどうしても勉強に身が入らない、成績が思うように伸びない、という時期を経験するでしょう。そんな時には、思い切って一度勉強から距離を置くことも有効です。手軽にできる気分転換法を持っておくと良いですね。加えて、志望校を決めた時の初心をもう一度思い返すこともオススメです。一年後の自分の姿を改めて想像すると、やる気に満ち溢れてくる…かもしれません。そうしたらまた机に向かえば良いのです。ただし体力的な無理は禁物です。身体的に疲労を感じた時には、第一に休息を取りましょう。学習面だけでなく、健康面においても自分の状況を的確に把握し、マネジメントできるようになれると良いですね。

おわりに

今回は、多くの方に読んでいただけたらと思い、広く大学受験や日々の学習について、私なりのアドバイスをしました。ですが前に挙げたものは、受験期に私と私が見聞きした範囲で体験した(考えた)ことに基づいたものです。従って、何かを主張するには根拠に乏しい、ということに注意されたく思います。ですから、皆さんが自身で多くの情報を求めてください。そしてそれを鵜呑みにすることなく、比較検討し、よく吟味した上で実践して下さい。これは、大学受験だけでなく、日々の学習においても、更には日常の些末なことにおいても、要用でありましょう。一見当たり前に思えること、大学受験とはあまり関係ないと思えることですが、これこそが昨今の受験生に求められているのだと、私は感じます。

最後にお知らせですが、私自身の受験の体験談や、それに因んで推薦・AO入試についても、別の記事で少し書かせていただきます。また、もし私に相談や質問したい方がいたら、可能な範囲でお力になりたいと思います。どちらも、スキッフルWeb サイトに掲載されますので良ければご覧ください。

東京大学1年 加賀琢巳

  • 神谷 萌南
  • 帰国して1ヶ月が経ち、ようやく日本のジメジメした暑さに慣れてきました。
  • 超電導リニアの走行試験を行っている「JR東海山梨リニア実験線」を取材しました。
  • 文部科学省は民間と協働し、若者の留学を促進するキャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を展開中。
  • 返済不要の「給付型奨学金」を給付している朝日新聞「朝日奨学会」と「服部国際奨学財団」のご紹介
  • 澤井 紅葉
  • わたしは現地の学校が終わり、夏休みをだれーっと過ごしているところです。

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