JAXA

「はやぶさ2」、太陽系の起源・進化と生命の
原材料物質の解明を目指して

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「3、2、1、リフトオフ!」

小惑星探査機「はやぶさ2」は平成二十六年十二月三日、鹿児島県南種子町の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから、H―ⅡAロケット二十六号機により打ち上げられました。
「はやぶさ」が様々な困難を乗り越えて地球に帰還し、世界を驚かせ、また人々を感動の渦に巻き込んでから、はや四年。「はやぶさ」の技術を受け継いだ後継機が約六年間の宇宙航海の旅へ出発しました。

jaxa-ph2小惑星探査機「はやぶさ2」

○「はやぶさ2」のミッション

「はやぶさ2」は、「はやぶさ」の到達した小惑星「イトカワ」とは別の小惑星「1999JU3」を目的地としています。この小惑星からのサンプル採取に成功すれば、太陽系や地球、生命の起源と進化の過程の解明が進むと期待されています。
「はやぶさ2」は、今年三月に初期の機能確認を無事に終え、現在は目的の小惑星に向けた本格的な航行に入っています。今年の末に、地球スイングバイによって軌道を変えて小惑星に向かう軌道に入り、平成三十年に小惑星に到着します。
到着後は約一年半かけて、小惑星の観測、サンプル採取を行います。
その後、小惑星のサンプルを持って飛び立ち、東京オリンピック・パラリンピックの開催される平成三十二年に地球に帰還する予定です。

 

○目指す成果・意義

既に「はやぶさ」で小惑星探査を行ったのに、なぜ再び「はやぶさ2」は小惑星に向かうのでしょうか。
一点目は、「はやぶさ」で実証した小惑星探査技術をより高め、確実なものとすることにあります。例えば、「はやぶさ」が小惑星イトカワと地球を往復する際に使用したイオンエンジンは、機器の寿命や消耗により途中停止するなど、不完全さがありました。
また、サンプル採取装置にもトラブルがあり、計画通りのサンプル採取とはいきませんでした。
問題点を改良し、より確実な探査技術を確立することは「はやぶさ2」の目標の一つです。

二点目は、イトカワよりもより始原的な天体を調べ、科学的に重要な成果を得ることにあります。
小惑星は太陽系ができた当時(約四十六億年前)の過去の情報をとどめている天体として知られています。
イトカワは岩石質の物質でできているS型小惑星でしたが、「1999JU3」はC型小惑星と呼ばれるタイプに分類されます。
このC型小惑星の岩石・砂には、水や有機物含まれているのではと考えられています。
小惑星の岩石・砂から生命の原材料物質が見つかれば、地球上の生命体の起源に迫れるかもしれません。

 

○あなたにも参加の可能性が?

新鮮な物質などから何が判るかは、「はやぶさ2」が地球にサンプルを持ち帰る平成三十二年以降に行う研究分析で明らかになります。
今の高校生の皆さんの中から、6年後以降には、「はやぶさ2」プロジェクトの研究者となっている人が出てきているかもしれませんね。

 

jaxa-ph3小惑星1999JU3の軌道

jaxa-ph4小惑星イトカワのサンプル
電子顕微鏡写真

jaxa-ph5人工クレータ周辺の
サンプル採取イメージ

 


國中プロジェクトマネージャーから皆さんへのメッセージ

新鮮な物質などから何が判るかは、「はやぶさ2」が地球にサンプルを持ち帰る平成三十二年以降に行う研究分析で明らかになります。
今の高校生の皆さんの中から、6年後以降には、「はやぶさ2」プロジェクトの研究者となっている人が出てきているかもしれませんね。

今から30年も前のことになりますが大学院学生の頃、それまで世界に存在しない新しい電気ロケットを完成させて、宇宙空間を自由自在に駆け回ってやろうと夢見て、マイクロ波放電式イオンエンジンの研究に明け暮れていました。
そんな機械は成功するはずがないと、多くの批判を受けたことを覚えています。
しかし、「はやぶさ」小惑星探査機のメインエンジンに採用されて、2003年に打ち上げられ、回り道をしたものの2010年に地球帰還を果たしました。

次に2011年から「はやぶさ2」の開発に着手しました。3年半という短い期間で探査機全体を完成させることは、多くの人が危ぶむたいへん難しい挑戦でした。
しかし、プロジェクトチームはもちろん協力企業や科学者が最大級の努力をして、見事打ち上げに成功しました。
このような経験から、「未来は決まっていない、自分で探して創るものだ」との確信を新たにしています。

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